判例変更:亡くなった方の預貯金の相続の払戻し(相続,遺産分割) 2017年 6月 26日

平成26年11月の【亡くなった方の預貯金の相続時の払戻しでは,判例上,遺産分割協議を経ないでも,各相続人は法定の相続分に応じた預貯金の払戻しを受けることが可能とご紹介させていただきました。

 しかし,その後に最高裁判所が判例を変更し,普通預金についても,定期預金,定期積金についても,遺産分割協議の対象とされるに至りました(普通預金について最高裁判所平成28年12月19日大法廷決定。定期預金・定期積金につき最高裁判所平成29年4月6日第1小法廷判決)。

その結果,遺産分割協議を経なければ,各相続人が法定相続分に応じた預貯金の払戻しを金融機関に求めることは判例上困難になっています。

今後は,預貯金についても,すべての相続人で遺産分割をしなければならなくなりました。

しかし,行方の分からない相続人がいる,すべての相続人で協力するのが難しい場合などは,なかなか遺産分割協議が整わないことになります。

遺産分割協議が整わなければ,いつまで経っても預貯金の払い戻しを受けることができず,被相続人の生前の医療費や相続税の支払いに困るという事態も想定されます。

こうした事態を防ぐためにも,遺言書を作成するなど事前対策をとることが一層重要となります。

遺言書の作成をお考えの方,相続に関して悩んでおられる方やお困りの方は,名駅総合法律事務所に一度お気軽にご相談ください。

相続に関するご相談は,初回のご相談に限り無料とさせていただいております。