以前,【刑事弁護①】【刑事弁護②】に続いて,刑事弁護での弁護士の依頼の仕方などのコラムです。
1 はじめに
刑事弁護のご依頼をうけた場合,弁護士は弁護人(べんごにん)と呼ばれることになります。
日本国憲法37条3項では,「刑事被告人は,いかなる場合にも,資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは,国でこれを附する」とされ,弁護人を付ける権利が憲法により保障されています。
そして,「資格を有する弁護人」は弁護士のみを指しますので,「弁護人」として弁護士に依頼する権利が認められています。
2 私選弁護人
私選弁護人は,捜査を受けていたり,刑事裁判を受けている本人や家族からご依頼を受けて,弁護人になる場合です。
私選弁護人の場合,ご本人やご家族と弁護士との間で委任契約を締結し,弁護士の費用はご本人やご家族に負担していただくことになります。
当事務所の弁護士報酬の基準は,弁護士費用の頁をご確認ください。
3 国選弁護人
財産が50万円未満しか無い場合等には,国(裁判所)が弁護人を付けてくれます。
これを「国選弁護人」(こくせんべんごにん)と言います。
現在の法律では,被疑者段階の国選弁護人は,「死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁固に当たる事件」(刑事訴訟法37条の2第1項)のみに付けられます。例えば,窃盗,覚せい剤取締法違反などです。
したがって,公務執行妨害罪,暴行罪,公然わいせつ罪,迷惑防止条例違反などの被疑者段階で国選弁護人が選任される基準に満たない罪は,被疑者段階では国選弁護人が付けられることはありません。
また,国選弁護人は国が選任するものですので,国選弁護人が誰になるかは選ぶことができません。ある特定の弁護士が国選弁護人に就くことをご本人やご家族が希望したとしても,基本的にそのご希望とは関係無く,一定のルールで国選弁護人が国により選ばれます。特定の弁護士を希望する場合には,基本的に私選弁護人を選ぶ必要があります。
なお,国選弁護人の弁護士費用は,基本的に国が負担しますが,判決でご本人が負担することを命じられることもありますので,どういった場合でもご本人の負担がゼロであるとは限りません。
刑事弁護でお困りの方は,名古屋駅前の法律事務所,名駅総合法律事務所までご相談ください。