B型肝炎訴訟 2014年 12月 26日

1 B型肝炎訴訟とは

みなさん、幼少時に予防接種をしたことはありますか。様々な病気にかかりにくくするためにする予防接種、しかし、残念ながら予防接種をしたがゆえにウイルスに感染してしまったケースがあります。

国が実施する集団予防接種において、注射器の使い回しが放置されていた結果、B型肝炎ウイルスに感染された方について、法律に基づき国に給付金の支払いを求める訴訟があります。それがB型肝炎訴訟です。

 

2 B型肝炎訴訟のこれまでの流れ

集団予防接種の際に注射器の使い回しをすることを国が放置していたことについて、平成18年6月16日、最高裁が国の責任を認める判決を下しました。しかしながら、国は、その訴訟で原告となっていた5名以外については責任を認めようとしなかったため、全国で同様の訴訟が提起され、平成23年6月28日に、国と全国の原告団・弁護団との間で、一定の条件を満たすB型肝炎患者の方について、国から給付金等を受けられることを内容とする基本合意書が締結されました。

こうした経緯を受けて、平成24年1月13日、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法(以下「特別措置法」と言います)が施行され、現在に至っています。

 

3 特別措置法の内容

特別措置法では、自身がB型肝炎キャリアであること、母親がB型肝炎キャリアでないことなどを示す資料がある方について、病態に応じて50万円から3600万円までの給付金が受けられることが定められています。病態に応じた補償の内容は以下のとおりです。

① 死亡・肝がん又は肝硬変(重度)

② 肝硬変(軽度)

③ 慢性肝炎(後述の④又は⑤に該当する人を除く)

④ 慢性肝炎(発症後提訴までに20年を経過したと認められる方のうち、現に治療を受けている方等)

⑤ 慢性肝炎(発症後提訴までに20年を経過したと認められる方のうち、④に該当しない方)

⑥ 無症候性キャリア(⑦に該当する方を除く)

⑦ 無症候性キャリア(一時感染者又は出生後提訴までに20年を経過した二時感染者)

なお、無症候性キャリアの方には、上記給付金とは別に定期検査等に要する費用等が支払われます。

 

4 弁護団の活動

私(川瀬)が所属している全国B型肝炎訴訟名古屋(愛知・岐阜・三重)弁護団では、B型肝炎患者さんからの相談を受け、訴訟の提起や各地での医療講演会の実施、医療費助成制度設立に向けての取り組みなど、様々な活動をしています。

 

5 B型肝炎でお悩みの方へ

愛知県、岐阜県、三重県にお住まいのB型肝炎患者の方で、給付金の受給などについて知りたいという方は、全国B型肝炎訴訟名古屋(愛知・岐阜・三重)弁護団(http://bkan-nagoya.info/index.html)もしくは、弊事務所の川瀬までご相談ください。